AKANE MAGAZINE
PRE LAUNCH ISSUE
ACTOR
ANNA YAMADA
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ANNA YAMADA
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ANNA YAMADA
11歳ですね。私は2001年1月生まれなので、そのオーディションがあったのが2011年の8月。ちょうど11歳になったばかりの頃でした。
本当にそう思います。私はもともと、人前で何かすることが得意な子どもではなかったし、「芝居が好き」という気持ちが自分にあったことにも、そのときは気づいていなかったんです。でも、ゲームをきっかけにオーディションを受けていなければ、きっとこの仕事には出会っていなかったと思います。だから今は、「あのとき応募して本当によかったな」と心から思います。
「賞をもらったから頑張ろう!」と、特別に気持ちが変わったということはあまりないんです。でも、やっぱり日本アカデミー賞のような場で評価されたことで、「自分の仕事をちゃんと見てくれていた人がいるんだ」と実感しましたし、そこに自覚と責任はしっかり持たなきゃいけないなと強く感じました。賞をいただいたということは、「あなたに託します」と言ってもらったようなもの。その信頼を裏切らないように、これまで以上に気を引き締めて、どの仕事にも丁寧に向き合っていきたいと思っています。
うーん…まだまだです。全然「やりきった!」なんて感覚はありませんし、さっきの賞の話も含めて、「これで自分は成し遂げた」と思うことは全くないですね。むしろ、これからも「やりきった」と思う瞬間はたぶん来ないんじゃないかっていう予感もしています。先輩方や同世代の俳優さんたちを見ていると、「自分はまだまだ力不足だな」って思うこともたくさんあって。でも同時に、人と比べても仕方がないという気持ちもあるんです。「もっと上手くなりたい」という気持ちと、「今の自分を認めたい」という気持ち、その両方のせめぎ合いの中で、現場ひとつひとつと向き合っていくしかないのかなと、そう思っています。
どんな人間……ですかね。自分の中では、仕事をしている自分とプライベートの自分を完全に切り離しているわけではないですし、かといって、仕事のことをずっと引きずるタイプでもないんです。なので、日々の暮らしの中で「普通に生活して、普通に仕事をしている」という感覚が強いですね。“特別な存在”っていうより、一人の24歳の女性として、ごく普通に生きているっていう感じが近いと思います。
やっぱり、25歳ってちょっと節目というか、少し大人になったような感覚もありますし、「何か変わるのかな」っていろいろ考えたりします。周りの友達の環境も変わってきていて、就職したり、結婚や出産をしたりする人も出てきました。そういう変化を自分の周りでも感じるようになってきて、「あ、これからそういうことをもっと経験していくんだろうな」って思ったりもします。でもやっぱり、結局は「普通だな」って思ってる自分もいて。
どこにでもいるような、普通の人として過ごしている自分がいる気がします。
そうですね。私より小さな頃から役者をしている人も多いと思いますが、私もかなり早くから仕事を始めていたので、「働いている自分」の記憶が物心がついたときにはもうあります。 だから、「役者をしていない自分」がどんな感じだったかはあまり想像できないし、実際に「役者をしていない生活」がどうだったかを思い返して「苦しいな」「楽しいな」と感じることも少ないです。ただ、役者としていろんな経験をしてきて、「この経験はきっと芝居の役に立つだろう」と思いながら、自分を支える習慣ができてきたのは確かで、それは楽になっている部分です。
近々、日本とシンガポールの共同制作ドラマの撮影に入らさせていただく予定で、セリフに英語が入ってきたりします。そういった作品は、「日本だけ」のストーリーではなく、「世界とつながる日本」の物語になると思っていて、これからこういう国をまたいだ作品がもっと増えていくんじゃないかと感じています。いっぽうで「国宝」のような国内映画も大ヒットしていて、今って、まさに「変わっていく途中」なんですよね。私自身、コロナ禍を経て、映像の在り方や作品の内容も変わってきたと感じていて、社会全体の変化をすごくリアルに体験しているなって思います。私はまだ若いですが、そういう時代の変化を、俯瞰的にも、自分自身の生活の中でもちゃんと受け止めて、役者としていろんな経験を素直に吸収していきたいと思っています。
日本は……良いところがたくさんありますね。 私自身、日本で生まれ育ってきた人間として、日本はとても居心地が良い場所です。真面目に物事に取り組む国民性があって、それは良い面も悪い面もあるかもしれませんが、私は「真面目に生きよう」と自然に思えるこの価値観が好きです。きっと日本に生まれたからこそ、そう感じられるんでしょうね。それに、日本独自の文化—たとえばアニメや漫画などが、世界中に広がっていて、京都にはたくさんの観光客が来ていますよね。今、社会全体が変化の途中にあって、みんなその変化に対応するのが大変な時代だと思います。でも、日本には他国にはない魅力があると思いますし、そこをちゃんと守ってきた人たちがいて、今もその文化が紡がれている。そんな国に自分が生きているということに、誇りを持っています。
思い入れがあるのは、やはり地元・埼玉ですね。「埼玉は何もない」と言われることもありますが、何もないなりにいいところだなと思います。あとは、訪れる立場で言うと北海道や沖縄も好きです。日本の北と南で育まれた文化の違いとか、土地ごとに伝わってきたものがあるなと感じていて、そういう“土地の風土”を肌で感じる場所が特別です。
改めて、役者を志したきっかけや背景について教えてください。
私が役者を目指すことになったきっかけは、2011年、当時10歳のときでした。『ちゃお』という少女漫画誌のオーディションがあって、そのグランプリの商品が「あるゲーム機器」だったんです。どうしてもゲーム機が欲しくて(笑)、それが応募の理由でした。運よく受かって事務所に入ることになったんですが、当時は芝居をしたいとか、モデルになりたいという夢があったわけではなくて。ただ「ゲームが欲しかった」というのが正直なところです。でも、その後にお芝居の仕事に関わるようになって、「芝居を仕事にしたい」と自然に思うようになっていきました。気づけば、今ここにいます。