井桁弘恵「自分の目で見て、自分の感覚で読み込んでいく時間は、シンプルだけれどとても豊かな時間」2026年夏号インタビュー

INTERVIEW

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井桁弘恵「自分の目で見て、自分の感覚で読み込んでいく時間は、シンプルだけれどとても豊かな時間」2026年夏号インタビュー

実際にご覧になって、創刊号はいかがでしたか?

まず私は、可愛い人を見るのが好きなんです(笑)。だから、こんなにもたくさんの方の洗練された写真を見られるというだけでも楽しかったですし、そこから先の読み物もすごく面白かったです。流行を追うというより、ずっと読み続けられる価値のある内容が多くて。ファッション誌とも言い切れないし、カルチャー誌とも一括りにはできない、不思議な魅力がある雑誌だなと思いました。どこから読み始めても新しい発見があって、自分の知識や興味の幅が広がっていく。そんな一冊だと感じました。

今回は表紙です。井桁さんにとって、雑誌の表紙というものは、特別な思いがあったりしますか?

はい、やっぱり作品の顔になる場所ですし、その号を象徴する存在でもあるので、責任感が生まれます。それと同時に、表紙を任せていただけるのは、本当にありがたいことだなと思います。自分が積み重ねてきたことを見てくださる方がいて、こうしてご縁をいただける。そのことに感謝しています。

井桁さんにとって雑誌とはどんな存在ですか?

私はもともとファッション誌を読んで育って、ファッションモデルになりたいと思ったことが今の仕事を始めたきっかけなんです。だからページをめくるときのワクワク感は、今でも特別です。紙の質感を感じながら大きな誌面をめくっていく。その体験自体が雑誌ならではの魅力だと思います。当たり前ですが、写真をじっくり見ようと思ったら、自分の目を近づけて細部まで見たり、光を当てながら眺めたりする。デジタルやSNSが日常になればなるほど、その行為って少なくなっているし、尊いなって。実際に自分の目で見て、自分の感覚で読み込んでいく時間は、シンプルだけれどとても豊かな時間だと思います。現実から少し離れられる時間でもありますし、それは雑誌だからこそ味わえるものなのかなと。

井桁さんは、本を持ち歩いているイメージがあります。

はい、子供の頃から読書は好きですし、本の良さを再確認しているところでもあります。出張の時は電子書籍を使うこともありますが、文庫本は一冊、今読んでいる本としていつも持ち歩いています。スマートフォンから流れ込んでくる情報から一度離れて、目の前の活字だけに集中する。読書は少し現実逃避に近いかもしれません。ドラマの待ち時間なんかも、その方が脳が休まるし、集中できるんです。一人旅をした時も、海辺でのんびり本を読んでいましたね。ご飯を待っている時間も気になって読んでしまうくらいの没入感がすごく好きなんです(笑)。頭の中でいろいろ考え続けていることから、一度離れられる貴重な時間だと思っています。

9月4日から新国立劇場 中劇場で上演される『SWAN ―Ballet cross Reading―』に出演されますね。舞台は稽古も含めて大変ですよね。挑戦しようと思った背景は?

30代のうちは、まだ体力にも余裕があると思いますし「大変そうなことは、とりあえずやってみよう」という気持ちが以前からあって。今は、配信も含めてコンテンツが本当に多い時代ですよね。少し供給過多だなと感じることもあります。だからこそ、時間をかけて丁寧に届けることができる作品に参加したい、ひとつの作品にじっくり向き合いたいという気持ちを持つようになって。コンテンツが増えたからこそ、生身の体験の価値も大きくなっていると思っていますし、お客さんも含めて、その場の空気を共有しながら一緒に緊張感を味わう舞台には、その瞬間にしか生まれない空間があると思います。また、もともとバレエをやっていたこともあって、ご縁を感じたことも出演の決め手です。今回は朗読劇という内容ではありますが、バレエダンサーと俳優が二人一役で作品を作るという点がすごく面白いなと思って。ダンサーが身体で表現して、役者が言葉で表現する。その組み合わせは私自身も見たことがなくて。バレエって素晴らしいエンターテインメントですけど、どこか敷居の高さもあると思うんです。知っている人じゃないと入りづらいとか、少しハードルが高いイメージもある。でも今回の作品は、そういう垣根を越えるきっかけになるかもしれない。バレエ界にとっても、朗読劇の世界にとっても新しい試みだと思いますし、その挑戦に参加したいという気持ちがありました。

色んな人が、様々な視点で観ることができそうな、また様々な感想が持てそうな舞台ですね。

はい、生で観るバレエは本当に迫力がありますし、そこに朗読が加わることで感情もより伝わりやすくなると思います。古典バレエは、ストーリーを知らないと少し難しく感じる部分もあります。でも今回は朗読によってその部分も補われるので、きっと観やすい作品になるはずです。いろいろな方に楽しんでいただけたらうれしいです!

最近は自分自身のことだけじゃなくて、周囲や業界全体のことも考えている発言が増えた気がしています。

そうかもしれないです。20代前半の頃は、自分がどうなりたいか、自分は何をしたいか、ということばかり考えていました。叶えたい目標もたくさんありましたし、経験したことのないことも多かったので、とにかくがむしゃらだったと思います。もちろん今でもその気持ちはありますが、少し俯瞰して全体を見るようになりました。それに、業界自体も変わってきていますよね。私が芸能界を目指し始めた頃は、ドラマや映画がその中心にありましたが、今は配信も含めて選択肢が増えていますし、コンテンツのあり方そのものが変わってきている。環境そのものが変わったからこそ、自分自身の働き方や向き合い方も考えざるを得なくなったなと思います。


俳優 井桁弘恵(HIROE IGETA)
Instagram:@igetahiroe23


costume
・Red
tops ¥49,500 , high neck top ¥44,000 , skirt ¥46,200 all by CFCL
sandals ¥7,920 by EVOL

・Beige
bustier ¥59,400 , skirt ¥75,900 all by UJOH
bangle ¥55,000 , ring ¥220,000 all by carat a
shoes ¥7,920 by EVOL

staff
Photographer : YUYA SHIMAHARA
Hair & Makeup : TOMOKO OKADA
Stylist : AKANE KOIZUMI
Director : SATORU SUZUKI 

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