Interview with ERIKA KARATA
『AKANE MAGAZINE』創刊準備ビジュアル第4弾には俳優 唐田えりかさんが登場。1月23日公開の『恋愛裁判』では、人気急上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める山岡真衣(齊藤京子)のチーフマネージャー矢吹早耶役を演じる。恋愛禁止ルールを破った山岡を、所属事務所社長の吉田光一(津田健次郎)とともに法廷で「恋愛禁止条項違反」として厳しく追及する。役に向かう唐田えりかの心根、そして役者として生きる本分とは。
お久しぶりですね!
お久しぶりです。よろしくお願いします!
AKANE MAGAZINEについて、ようやく今日きちんと説明できました。どんな印象を持ちましたか?
まず、私は小さい頃から雑誌が好きで、モデルになりたいっていう夢を持ちながらこのお仕事を始めて。そんな憧れだった雑誌業界、今後いったいどうなっていくんだろう?みたいな感情もあったりして。昔みたいにたくさんの雑誌を買っているか?と言われると、正直そうではない。でも、書店に並んでる雑誌を見た時のワクワクは変わらないというか。
「家に置いておきたくなる雑誌」、「被写体その人自身の背景が見えてくる」鈴木さんがおっしゃっていたコンセプト、もともと私も写真が好きだということもあるのですが、本当にいいなって。
『AKANE MAGAZINE』が立ち上がるってお話を聞いた時に、シンプルに鈴木さんの思いとか好きとかを全部、行動に移されている実行力がすごいなって思っていました。そして今日しっかり説明を聞いて、日本の伝統であったり、考え方、いろんなコンセプトが全てしっかり繋がっているなと。タイトルからもそうですが、言葉から伝わるパワーというか、力強さも感じましたし、コンテンツ全体のテーマ性も素敵だなって。私自身もこの仕事をしていく中で、日本の良さだったり、日本ならではの芸術性を、もっとしっかりインプットしていきたいなと思う瞬間とか、作品や役者の皆さんからの刺激があったりします。そういった背景も含めて、これからの動きがすごく楽しみな雑誌だなと。
ありがとうございます!励みになります。唐田さんは日韓、両軸というほどじゃないかもしれませんが、早くから日本国外でも活動されていますよね。韓国語でお芝居もされたり、映像業界の中でもとても前衛的というか、ユニークな動きをされていて。
みんなと違うことやっている、みたいな考えはそんなにないんです。向こうの現場に入らせてもらっても、何か大きく変わるかっていうと、制作における順序とかもそんなに日本と変わらなかったりするので。言語だけが違って、みんな良い作品をつくりたいという目指す先?みたいなものは一緒だとは思いますし。違いでいうとなんだろうな……。日本人もそうですが、韓国に行くと、やっぱり各々気持ちとか、表現の仕方とか、より一人一人の色が濃いなという印象はありますね。その強さみたいな部分にずっと憧れがあって。韓国でのお芝居やコミュニケーションで得たものを、日本の現場でも活かして、更に日本で得たものを、向こうでぶつけるみたいな。互いのいい部分を盗んでいるみたいな、そんな気持ちではいたりします。
日本と韓国での違いというか、作品づくりにおいての役者や制作スタッフとのコミュニケーション含めて、それぞれの良さだったりは何か感じますか?
え、何だろう……。日本って、やっぱり丁寧だなって思いますね。本当にちゃんとしてるなと思います。こんなにちゃんとしている国、たぶん日本だけなんじゃないかと。韓国ぐらいしか、海外の経験はないですけど……(笑)。具体的にいうと、予定されていた流れで進行がうまくいかないし、時間通りには終わらないし、みんな時間とかそこまで考えてないというか(笑)。集合時間に遅れるのも、まぁ仕方ないみたいな雰囲気だったりしますし。そういうのを目の当たりにした時に、私はそれが嫌っていう風には一切ならなかったんです。みんな適当にやっているってわけでもないし、そういう文化なんだろうというか。それよりも、向こうにいると、一人一人がYES・NOがハッキリしているなというのは強く感じますね。間を取って、というのが本当になくて「うーん、どうだろう」みたいな変な空気もない。無駄に人に気を遣う?みたいなことがあまりなくて。それってすごい大事なことなんじゃないかって思う瞬間が多々あって。向こうに長く滞在してると、自然とそっちの雰囲気に自分も近づいて「なんか生きやすいな」って思うこともあったり。本来こういう風に、自分の感情を素直に出していった方が真っ当なんじゃないかと思ったりもしましたね。もちろん優しさで、日本のそういった気遣いや、間みたいなものも、とっても大切なことだとは思うんですけど。
素人目線ですが……。韓国のドラマとかって、テンポが早かったり、カット割りを細かく、アングルもこだわっていたり、そんな印象があったりするのですが、そこら辺、実際の制作現場ではどうなんでしょう?
確かに韓国の方がたくさんカットを割ってると思いますね。特にドラマはそんな気がします。映画作品だと、日本の場合はカット割りがないこともあったりしますし、空気感も含めて映像としてそっちの方が評価されやすい背景もあると思います。ただ、本当に私はどちらも好きで。やっぱり、どっちのスタイルもそれぞれの魅力があって。韓国は画の力の強さで飽きさせないというか、展開の良さがあって。日本の作品では、背景も含めて、本当に全部色んなものを引き出して、映してしまう凄さがあるというか。どちらに携わっても、やっぱりどっちも好きですね。
そういう動き方や考え方のインプットって、どういうところから?役者友達に話して、という感じでもなさそうですが。
プライベートは毎日誰かと会っているくらい、いろんな人に会って話すのが好きで。好きな人に会って、その人が普段何考えて、最近は何を大事にして生活してるんだろうって聞くだけでも「あ、そういう動き方や考え方があるんだ」とか「そういう視点、自分は持ってたっけな?」みたいに刺激やインプットになっている気がします。ただ、いろんな考えをもらいすぎて、何が何だか分からなくなっちゃう時とかもたまにあるんですよ。そういう時は、とにかく何もない自然の方に行って、五感を整えるというか、落ち着くようにしていますね。
人と接することで、自分にはなかった風を感じることができますし、反対に自然を感じるだけでも自分自身本来の姿というか、ど真ん中の感情に戻れるような気がしているので、そのどちらも大切にしています。自然の強さも、人間の強さも、豊かですよね。

これだけ長く役者をしていて、唐田えりかっていう人間が、完全にニュートラルに戻れてる時ってあるんですか?
いいのか悪いのかわからないのですが、役に携わったからといって、本来の私に何かがついて取れないみたいな感覚はないです。どこに行っても新人気分ですし、何か技術があるかって言われると全然ないような……。現場で迷うことも多々ありますし、どうやって芝居するんだっけ?みたいな瞬間も未だにありますし……。 もちろん現場で、様々なお芝居をやらせてもらって、たくさん学んだことはあります。ただ、今も映画とかドラマを視聴する際、このお仕事を始める前に見ていた感覚と、変わってないなって思うんです。役者仲間が「あそこのカットがどうだった、こうだった」とか話していても私は「え、そうだったっけ?」って感じですし(笑)。意外と執着がありそうでない、余計なことを考えずにずっとお芝居をできている気がするというか。自分の表現の場所を見つけることができたから、そのことだけで十分楽しくていい!みたいな。
その誰もが悩むような仕事との距離感。好きなことと仕事の境目というか。保てるように元々意識はしていたんですか?
どうだろう、あまり意識はしていなくて、自然とそうなっていった気がしますね。どこかのタイミングで意識したか?と言われるとそうでもないですし。全力でやってみて、ダメならダメだしみたいな。それよりもまだ20代だし、やれることを、やりきらなきゃ!みたいな。
ありがとうございます。唐田さんは日本のカルチャー領域で好きなことはありますか?
『スタジオジブリ』作品ですかね。一昨日も『となりのトトロ』を観たばかりで。ふとした時に観たくなるし、子供の時は何とも思っていなかったシーンに想いができたり。先日も『ハウルの動く城』を観ていて、ハウルの「守るものができた、君だ。」っていうセリフがあるんですよ。それを聞いただけでなんか泣けちゃって……。守るものができるって、めっちゃ強いよなって。子供の時は分からなかったけれど、強くなれる瞬間、きっかけってあるよなみたいな。シンプルな言葉だからこそ刺さってくる。長文のメッセージで、色々こう設定を敷き詰めてるからいいとかじゃなく、シンプルさ、純粋な気持ちっていうのは大事にしたいなって。
映画作品もアニメも、出会ったことで人生観変わったりとか、目指す道が変わったりとか。役者も僕ら制作側も、そういった夢を持たせられる仕事なんじゃないかと思っていますが、唐田さんご自身はそういった自負はありますか?
そういった実感を持てているかって言われると、そうでもない気もしますね……。1月23日に公開の映画『恋愛裁判』とかも、やっぱり題材が強い映画なので。なんだろうな、なんか自分がもらった役割の中で、この映画の中でどう作用ができるかという感覚を大切にしているというか。もちろん観てくれる人が、何かを感じてくれたらいいなとは思うのですが。まずは現場で、間近で見てくれている人の心を動かせないと、絶対に届かない、その奥その先には到底行かないだろうなって。まずは身近な人から、スタッフさんから、監督から。その現場でまず起こることを、めちゃめちゃ大事にしようっていうところ。私はまだ、その次元には入れていないような気がします。
ファンからお手紙などで感想をもらうこともあるのでは?
そうですね。ずっと見てましたとか、ずっと見てますとか、お手紙をもらったり、役者の後輩から言葉をかけていただくこともあります。昔はこういう性格だったけど、作品を通じて変われました、みたいなことも。実際そういうことはあるのですが、ちょっと不思議な気持ちです。見てくれてる人って本当にいるんだみたいな。何て言うんだろう……「本当に見られている仕事なんだ」っていうのを実感するというか。
ちょっと突きつけられてる感覚もあったり?
まず大前提として、そういうメッセージは嬉しいということはもちろんあります。ただ、なんかちょっとドキッとするというか。突きつけられているというか「こんなにちゃんと見てくれてる人がいる中で、私は本気、本当に100%でやれてたっけな」みたいな。いいんだっけ、これで?というか。そういう、身が引き締まる感じはありますね。

1月23日に『恋愛裁判』が公開されます。先ほどチラッとお話しされたように、強めの題材だと思うのですが。まず、オーディションを受けたときの気持ちってどうだったんですかね?
そうですね。私はもともと、深田晃司監督がとても好きで。深田監督とご一緒するという目標を20歳の時に立てたくらいで。深田監督のオーディション、呼ばれる役者数もそこまで多くないんです。深田監督の目に止まっていない限り、オーディションの段階に声をかけてもらえない、役をいただけるなんてまた更に先の話だというのは知っていて。深田監督の、オーディションで役者に向き合う姿勢というのがすごく、「こんな監督が本当にいるんだ、こんなに芝居と丁寧に、真摯に向き合ってくれているんだ」という印象を持っていて。最初にオーディションのお話をいただいたのが20代前半の頃。その後にも呼ばれたことがあったのですが、オーディションに受からなくて。めちゃめちゃ悔しかったんですよ。で、今回、またオーディションに呼んでいただくことができて。もう、バキバキ状態で行って(笑)。絶対に受かる、次落ちたら本当に悔しくてどうにかなりそうみたいな気持ちで行って。ただ、今までのことを思うと不安もあって……。オーディションの最後、お芝居を終えた後に私自身の想いを本音でお話しさせていただく時間があって。深田監督はそれに対しても、真摯に向き合ってくれました。 仕上がった作品を見た後も「監督は、映画が持っている力を誰よりも信じている方なんだな」と思いましたし、観ていただいた人全員が、きっと余韻を持てる作品だと思います。自分とは関係ないって思う世界の人たちも、その世界の中に入って体験できる、ちゃんと視点を増やしてくれる作品に仕上がっているなと。映画がこの世に存在する意味、意義を、改めて私も感じましたし、この作品の一部になれて、幸せだなって思いましたね。
齊藤京子さん演じる『山岡真衣』のチーフマネージャー『矢吹早耶』を演じられましたね。担当してた山岡真衣を、訴える側ですよね。
同じ会社、訴える側に津田健次郎さん演じる社長の『吉田』がいるのですが、吉田はどちらかというと静かに攻撃するみたいな感じで。私ももちろん会社の人間だから、攻撃する側なのですが、もともと私(矢吹早耶)もアイドルだったという背景があって……。反対はしつつ、山岡の気持ちがわからないわけでもないみたいな絶妙な立ち位置で。強い言葉を吐けば吐くほど、矢吹自身、演じている私自身も、なんだか空っぽになっていくみたいな感覚があって。人間として、この言葉って吐いていて本当にいいのかなというか。自分っていったい今何をしてるんだろうみたいな。お芝居しながら、特に裁判のシーンなどでは、言葉をただ喋ってるロボットみたいな感覚があって……。本当に操り人形みたいな感じで、あの場にいた気がしますね。
結構本当にこれって難しい題材ですよね。僕らも同じ業界の一端というか、実際に過去のまわりの環境も含めて、重なる部分もあるというか。
私はマネージャーという役柄もあって、齊藤京子ちゃんの『山岡真衣』を後ろから見ることが多かったんです。だから、当時ずっとお世話になっていた私の担当女性マネージャーがぼんやり頭の中にいて。タレント、役者を見る時って、こういう気持ちになるんだろうなとか、こういう出来事があった時に、本来は他人、ただの仕事としての関係なのに、他人事になれない仕事なんだなって思って……。自分が持てていなかった視点を増やしてくれた作品のひとつになったとも考えてはいます。
あくまで映像作品だとは思うのですが、リアルな部分も多いのでしょうか?
そうですね。作品をただ観るというよりは、作品を通じて知るという感覚が近いかと思います。そのくらい、丁寧につくられた作品だと思います。想像の中で、こういうことってあるのかな?とか、本当はどんな感じなんだろう?という色んな考え方が皆さんの中におありだと思うのですが、実際にその場にいる人の心情とか、何が裏で行われてるかとか、どういう人が絡んでいるかとか、やっぱり当事者にしかわからないことってあると思うので。よくわからないからこそ、デマも含めて色んな意見が散乱する現実世界があると思いますが、実際の当事者、関係者って、気持ちも含めていったい何なんだろうというのを、知る映像作品だと思います。
楽しめる映画なのでしょうか?どんな気持ちで劇場に足を運んだらいいか、迷う気もします。
そうですね、おそらく皆さん興味のある題材だと思うので、その興味のまま劇場に足を運んでくださったらいいかな?と。私たちは当たり前のように知っているこの業界も、皆さんが知って、どう受け止めてくれるか。感想もそれぞれ異なる感じになるのではないかな?と。「あ、そうだったんだ」みたいに納得できたり、「こういう関係性なんだ」と理解ができたり、「こんなこと言っている人いたよね」とか答え合わせしたり、ドキュメンタリーではないのですが、特殊なこの業界を知って、様々な意見を交換できるような、面白い作品になっていると思います。

最後の質問です。急にカジュアルな内容だけど、今年の抱負を!(笑)
え!なんだろう……。今まではお芝居について、真面目に、色々と真剣にやる!みたいなスタンスだったのですが、少しアプローチの仕方を変えてみようかなと思っていて。それこそお芝居を、1段上にどうやったら持っていけるかと考えた時に、やり方、アプローチを工夫してみようと思って。今まで自分が積んできたものを大事にしながら、作品ごとにギュッと集中して現場に臨んでいましたが、一度これを全部捨てるというか、どうせ捨てても多分染みついてるものだと思うので、アプローチ方法を変えてみようっていう”真剣な遊び”をしてみるというのが今年の目標ですね。
それは振り返ると2024年もそうだけど、2025年は結構やりきれたっていう感じもあるのかな?
そうですね。常に一生懸命やってきたら、いつの間にか終わっちゃってたみたいな感じですかね。自分が今まで大事にしてきたものは、しっかり大事にできたなっていう気持ちはあって。その上で、自分を更新するためには違うステージに行かないとという気持ちが芽生えて。役づくりにおいて、色んな参考文献なども読みながら「こういう役だから、こういう感じだよな」みたいに、ひとつに集約していくような考え方が多かったのですが、こういう役だったら、視点を変えて真逆、こっちから攻めてみようかみたいな。答えはひとつじゃないなっていう想いがあって。皆様のおかげで、今年も面白い役にたくさんチャレンジができそうなので、より豊かな表現ができたらなって思います。
俳優 唐田えりか(ERIKA KARATA)
Instagram @karata__erika/
FASHION
・RED
dress ¥59,400 shoes ¥61,600 all by AKIRANAKA
knit polo ¥41,800 by KANAKO SAKAI
ear cuff (right) ¥117,700 ear cuff (left) ¥148,500 ring (index finger)
¥200,200 ring (middle finger) ¥200,200 all by PRMAL
・WHIITE
dress ¥242,000 (reference price) shirt ¥59,400 pants ¥63,800 all by UJOH / M(TEL 03-6721-0406)
pierce ¥44,000 ring (middle finger) ¥339,130 ring (ring finger) ¥210,100
all by yull.
shoes ¥28,600 by BIRKENSTOCK / Birkenstock Japan Customer Service
STAFF
Photographer : Nae.Jay
Hair & Make up : AZUMI WASHIZUKA
Styling : NATSUKI TAKANO(HOTOME)
Edit & Text : SATORU SUZUKI(AKANE MAGAZINE)