宮﨑 優「挑戦してみたら、新しい自分に出会えた。だからこれからも、自分が想像していない場所に飛び込んでいきたい」2026年夏号インタビュー
『AKANE MAGAZINE』創刊準備号第三弾の表紙にも出演いただきましたね。実際の雑誌を見た感想は?
まず紙の素材がすごく好きだなと思いました。最初の茜色の企画、私たち役者の企画、後半の文化的企画と、紙の質感もそうですし、ムードや色味が日本らしいなと。写真も優しい雰囲気があるのですが、同時に凛としている感じがあって。それが日本の女性像にすごく合っているなと思ったんです。『AKANE MAGAZINE』が立ち上がる準備のころからもつ温かさのようなものが、誌面全体にもしっかり反映されているように感じました。今日の撮影も、本当に安心感がありました。みんな仲の良い方たちばかりだったので、撮影というより、おしゃべりしている時間の中で自然に撮っていただいている感覚で。これが『AKANE MAGAZINE』らしさなのかなと。

ABEMAの『バッドチョイス・グッドラブ』について、作品に参加された背景など教えてください。
『バッドチョイス・グッドラブ』は、『グラスハート』の次にどんな作品を選ぶべきか悩んでいた時にいただいたお話でした。プロデューサーさんから「宮﨑さんを主演にして作りたい」と言っていただいて。当時は本当に悩んでいたんです。自分が今やるべき作品は何なんだろうって。そんな迷いもある中で、実際に撮影に参加させていただいたら、本当に素敵な現場で。撮影期間は10日ほどだったんですが、今までで一番楽しかった現場だったといってもいいかもしれません……。同世代のキャストが集まる現場自体が初めてだったこともあって、本当に学生みたいな空気だったんです。作品選びについてたくさん悩んでいましたけど、「まずはやってみることの大切さ」を教えてもらった作品だったなと思います。
その空気感はキャストだけでなく、スタッフの皆さんも作ってくれていたのかな?
そうですね。ABEMAとしても新しい挑戦だったんです。若い世代が楽しめるドラマを作ろうという共通の目標があって、みんなが同じ方向を向いていたので結束力がありました。特にプロデューサーさんがすごく優しい方で。「私はこう思います」と話すとちゃんと聞いてくださり、細かな相談もできましたし、本当に全部が他人行儀じゃない……。だからこそ、心から楽しめたんだと思います。
準備の段階からそこまで話し合える環境は?
多くはないと思います。映画もドラマも、基本的には監督やプロデューサーのビジョンがあって作られるものですから。何年も前から準備している企画もありますし、「こういう作品を作りたい」という明確なイメージがある。だからこそ、柔軟に意見を聞いてくださる方は珍しくて。もちろん、前者が当たり前でいい世界だと思うのですが、たまにこういう出会いがあると、本当に面白いなと。

今、とある作品の役作りのために身体を絞っていると伺いました。体脂肪や筋肉量までコントロールしながら準備されているそうですが、ここまで身体を変える役作りは初めてですか?
そうですね。ここまでやったのは初めてです。映像だと意外と分かりづらかったりするので少し寂しい気持ちもあるのですが(笑)。今回は極端に痩せるというより、少し儚げな雰囲気が出せたらいいなと思っていました。それと同時に、筋肉量を増やすことで、どんな役にも対応できる身体になれたらいいなと思ったんです。役者として、いつでも何でもできる状態でいたいので、すごくいい機会をいただいたなと思っています。
どれくらいの期間で身体を作っていった?
私はゆっくりで、2か月くらいです。最初は単純に「食べなければ痩せるかな」くらいに思っていて(笑)。食事量をかなり減らして、別件で病院に行った時に血液検査をしたら、「糖分が足りなさすぎる」と言われてしまって。このままだと倒れるからと言われて、ドクターストップ。その時に先生から、「長期間の撮影があるなら、痩せることよりも健康に動ける身体を作ることの方が大事」と言われました。短期間だから大丈夫かなと思っていたのですが、「それでもちゃんと食べてください」と言われて。そこからジムとピラティスに通い始めて、結果的に筋肉量が増えました。
運動量が増えると食事量も増えますよね。
増えます(笑)。でも不思議と、食べる量が増えてもあまり太らなくなったんです。本当にいい先生に出会えたなと思います。私は食べることが大好きなので、食べないダイエットをしていた時は、本当にしんどかったですね。特に甘いものが好きなんですけど、一番我慢しなきゃいけなくて。人生の楽しみがなくなったような感覚でした。糖分が足りていないから頭も回らなくなるし、覇気もなくなるで、ずっと朦朧としていて。極端な方法はやっぱり良くないなと思いました。
食生活も変わりましたか?
変わりました。野菜を意識して食べるようになりましたし、タンパク質をしっかり摂るようになりました。一日70グラムくらいを目標にしています。プロテインも飲みますし、友達にも「今日ちゃんとタンパク質摂ったよ」って報告していました(笑)。
身体づくりという経験は、今後の役者人生にも活かせそうですか?
はい、すごく活かせると思います。今まではドラムの練習みたいなことはあっても、身体そのものを鍛える役作りはあまり経験がなかったので。実際に筋肉がつくと体幹が安定するんですよね。声も出しやすくなるし、立ち姿も変わる。今まで無意識にしていた癖みたいなものも少し減った気がします。どっしりとした役や存在感のある役も、以前より自然にできるんじゃないかなと思っています。私はカラオケが好きなのですが、重心が安定すると本当に声が通りやすくなるんです。お写真のポージングもそうですし、身体の使い方そのものが変わった感覚があります。まだ始めて間もないですけど、身体が変わることで自分自身も変わるんだなという感覚が、なんだか新発見みたいな感じで嬉しく思いますね。
先ほど作品名が挙がりましたが、『グラスハート』で宮﨑優さんを認識された方も多くいるかとは思います。広く観られる作品を経て、これから先どんな役に挑戦してみたいですか?
『グラスハート』の西条朱音という役は、本当の私に近いキャラクターだったと思います。ありがたいことに、今でもSNSのコメントなどで「朱音ちゃん」と呼んでいただくことも多くて。それはすごく嬉しいことなのですが、いっぽうで、それを超えるような作品や役にも出会いたいなと思うようになりました。私自身は、どちらかというと陰のある人間なんですよね(笑)。表面的にはそう見えないと言われることが多いのですが。だからこそ、少し陰を抱えた人物だったり、心理的に複雑な人物だったり、そういう作品や役にもすごく惹かれます。ちょっとヘンテコだったり、不思議だったりする役もやってみたいなと思いますが、ものすごく陰のある役もやってみたい。両極端な役に興味がありますね。もし明るい役と暗い役を同時期に演じることができたら、その切り替えも含めて、自分自身がどう成長できるのかにも興味がありますし。
人間そのものに興味がある?
そうですね。特に極限状態の人間に興味があります。犯罪心理学も好きですし、「この人はなぜこう考えたんだろう」とか、「どういう気持ちでその行動を選んだんだろう」とか。そういうことを考えるのが好きなんです。最近もラジオで、パートナーに二度不倫された男性の話を聞いていて。一度目は許したのに、二度目で突然気持ちが冷めてしまったという話だったんですけど。その後、その人は感情的になるんじゃなくて、冷静に証拠を集めて、探偵まで雇って……。それを聞きながら、「どういう気持ちで日常を過ごしていたんだろう」と考えてしまうんです。もう嘘を知っているのに普通に「おかえり」と言える心理とか、そういう極限状態の人間の感情にすごく興味があります。だから役を演じる時も、「どう見せるか」より、「その人ならどうなるだろう」を考えることの方が多いですね。
それは役者としての面白み、でもありますね。
本当にそう思います。『バッドチョイス・グッドラブ』も、やる前は自分にできるか分からなかった。『グラスハート』も、ドラムなんて絶対できないと思っていました。でも挑戦してみたら、新しい自分に出会えた。だからこれからも、自分が想像していない場所に飛び込んでいきたいです。極端な役でも、新しいジャンルでも。挑戦することで見える景色が、きっとまだたくさんあると思うので。だからこそ、まだ見たことのない自分に会える役と出会いたいですね。

俳優 宮﨑 優(YU MIYAZAKI)
Instagram:@u_miyazaki_official
costume
・Blue
tops ¥38,500 , skirt ¥71,500 , scarf(all) ¥25,300 all by beautiful people / beautifulpeople AOYAMA
shoes ¥23,100 by ALM.
ring ¥36,300 by un by Tomoyo Yoshida / un designs
・Brown
tops ¥30,800 , dress ¥49,500 , under tops ¥46,200 all by TAN
shoes ¥62,700 by KATIM
ear cuff(up) ¥25,300 , (down) ¥38,500 , ring(right) ¥53,900 , ring(left hand index finger) ¥89,100 , (left hand middle finger) ¥35,200 all by KAORU /KAORU LUMINE YURAKUCHO
staff
Photographer : YUYA SHIMAHARA
Hair & Makeup : ASUMI WASHIZUKA
Stylist : AMI MICHIHATA
Director : SATORU SUZUKI